チェンジホールディングス、栃木県那須塩原市、奈良県三宅町と自治体業務におけるAIエージェントの活用に向けた実証を開始
~ 定型業務をAIへ移行し、職員が"人にしかできない業務"に注力できる環境づくりと標準サービス化を目指す ~
株式会社チェンジホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役兼執行役員社長:福留 大士、以下「当社」)は、自治体の深刻な人手不足という課題に対し、栃木県那須塩原市(市長:渡辺 美知太郎、以下「那須塩原市」)、奈良県三宅町(町長:森田 浩司、以下「三宅町」)の2自治体と、自治体向けのAIエージェントの活用に向けた実証を開始します。
本取り組みは、Google Cloudの導入・活用支援に大きな強みと豊富な実績を持つIT戦略パートナーであるクラウドエース株式会社と共に、一般的なツールの「導入」ではなく、業務への「実装」までを伴走支援します。定型業務をAIへ移行することで、職員が"人にしかできない業務"に注力できる環境を整備します。
背景
地方自治体では、職員のなり手が減る一方で、社会保障・防災・子育て支援など現場が担う業務はむしろ増えています。日本総合研究所の試算では、必要な人数に対して確保できる職員の割合(充足率)は2045年に全国平均で約8割、小規模な町村では約6~7割まで低下すると見込まれています※1。
その打ち手として、生成AIの活用が急速に進んでいます。ただし、その広がりは一様ではありません。総務省の調査では、AI・RPAの導入率は都道府県と指定都市では100%である一方、その他の市区町村では58%にとどまり、自治体の規模による差がでています※2。
この背景には、デジタルをリードする人材の不足、予算確保の難しさ、そして生成物の正確性やセキュリティへの不安※3のように、多くの自治体に共通する課題があります。
生成AIは多くの自治体に導入されてきているとはいえ、「アカウントは配られたが、仕事のやり方は変わらない」といった、導入で止まってしまう例も少なくありません。重要なのは「導入」ではなく「実装」です。使い方を示すだけでは現場は変わらず、業務が実際に回るところまで届いて初めて、職員の時間は生まれます。
だからこそ、規模も体制も異なる複数の自治体で実際に検証し、どの自治体でも使える「汎用的な実装の型」をつくる必要があります。
※1:日本総合研究所 地方公務員不足で重要度が増す行政サービスの共同・広域化 2026年1月15日 https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/16399.pdf
※2:総務省 自治体におけるAI・RPA活用促進 令和7年6月30日 https://www.soumu.go.jp/main_content/001018078.pdf
※3:日本総合研究所 データから見る地方自治体のAI活用の現在地点と浮かび上がる課題 2026年1月29日 https://www.jri.co.jp/report/researchfocus/detail/16441/
目的
AIエージェントは、質問に答えるだけの従来のAIと違い、目標を受け取ると自ら手順を組み立て、最後まで進めます。職員の業務は「調べる・照合する・まとめる・下書きする」の積み重ねで、その工程と工程をつなぐ手間は、いまも人が負っています。このつなぎ目までAIが担えれば、これまで時間のかかっていた作業から職員の手が離れ、住民と向き合い、考え、判断する業務に時間を振り向けられる。今回の取り組みでは、このような環境を整えることを目的としています。
3つの重点検証項目
AIに任せる範囲と職員が担う範囲は、工程ごとに線引きする必要があります。その引き方は自治体の状況で変わるため、2自治体で異なる角度から、次の流れで検証します。人口規模・産業構造・地理的条件が異なる2自治体が同時に検証に取り組むことで、単独の自治体では見えにくい"自治体共通の課題"と"自治体固有の課題"を切り分けることができ、他自治体への展開にも応用可能な汎用的な知見を得ることも目指しています。
- 対象業務
どの業務に、どう使えるか。対象を先に決め打ちせず、AIが得意な仕事もあれば、人が動いたほうが早い仕事もあります。現場職員と一緒に合う使い方を探します。自治体の業務改善やBPOで積み重ねた知見を、その見立てに活かします。 - 運用環境・制約条件
安全に運用できるか。AIが担うのは調べる・まとめる・照合する・下書きするまで。可否の判断、決裁、住民への通知といった最終責任は職員が持ちます。AIは「職員の判断」に置き換えるものではなく、判断に至るまでの作業時間を減らすための手段として位置づけます。運用の環境や制約条件もここで整理します。 - 運用方法
どれだけ効果があるか。まず少ない業務から着手し、削減できた時間を測る。見えたことをもとに次の業務を掘り起こし、また試す。このようにPDCAを回し、AIが役に立つ場所を庁内に増やしていきます。さらに得られた型を他自治体でも使える形に整えます。
実施体制
- 株式会社チェンジホールディングス
- 全体コーディネート、自治体業務・制度の理解、実証設計、業務ヒアリング・分析
- クラウドエース株式会社
- Google Cloud・生成AIによる実装、実証環境の構築、技術面の整理
- 自治体
- 実証対象業務の選定への協力、業務ヒアリングへの対応、実証環境での運用・フィードバック
今後の展開
当社は、業務の可視化から改善(BPR)、業務をお預かりするBPOまでを担い、現場と伴走してまいりました。この知見を活かし、今回の実証を通じて自治体向けAIエージェントサービスの標準化を目指します。
AIエージェントの活用は、職員の業務を代替するものではなく、定型的な作業に要する時間を削減し、職員がより付加価値の高い業務に取り組むための時間を生み出すことを目的としています。定型的な作業をAIが引き受けることで、職員は、住民と接する時間や、新しい行政サービスを構想する時間など、人にしかできない業務に、力を注げるようになります。
今後、本サービスで得た「業務の見極め方」と「実装の型」を、他の自治体がそのまま参考にできる形に整理し、自治体向けサービスとして順次提供を広げます。当社は、職員体制の規模にかかわらず行政サービスの質を維持・向上できる仕組みづくりを支援し、当社が掲げる「地域経済まで含めた公共DX」を自治体の皆さまとともに推進してまいります。
株式会社チェンジホールディングスについて(https://www.changeholdings.co.jp/)
チェンジホールディングスは、「 Change People、Change Business、Change Japan 」をミッションに掲げ、「生産性を CHANGE する」というビジョンのもと、デジタル人材の育成支援や業務プロセスの革新及びデジタル化を担う NEW-IT トランスフォーメーション事業と DX による地方創生の推進をミッションとするパブリテック事業の2つの事業を柱として推進・拡大しています。
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