地方が自走する仕組みをつくる。その"事業化"に挑み続ける現在地

グループビジネス 観光DX
シニアマネジャー
J.T.

動画配信サービス事業者にてインフラエンジニアとしてキャリアをスタートし、ディレクションやPM、新規事業開発へと領域を拡張。続く不動産テック企業での経営企画・事業再生経験を経て、不動産投資会社では地方の不動産案件に携わる中で「地方創生」への関心が高まる。現在はチェンジホールディングス子会社Onwordsの取締役として、観光DX領域の新規事業開発と事業推進を担う。

技術の現場から、事業の構造を描く側へ

私のキャリアは、国内の動画配信を支える中核企業でのインフラエンジニアから始まりました。最初はシステムの安定稼働を支える技術者として現場に立ち、その後ディレクターやPMを経て、新規事業の立ち上げなど、徐々に事業側の役割も担うようになっていきました。

技術を理解したうえで、どう事業を成立させるのか。エンジニアリングとビジネスを往復する経験を積み重ねる中で、「テクノロジーを使って事業を構造的に組み立てる」という視点が、自分の中に少しずつ形成されていきました。

危機の中で見えた、自分の判断軸

その後、自身のスキルをより未開拓な領域で活かしたいと考え、不動産テック企業へ転職しました。DX化の余地が大きく、構造次第で産業そのものが変わる可能性を感じたからです。しかし、入社からほどなくして、会社は不祥事による経営危機に直面しました。事業は縮小し、組織としても大きな混乱の中に置かれました。

当時、義父からかけられた「困難な状況で最後まで役割を全うする経験こそが、将来の信用につながる」という言葉が、私の判断を支えました。会社に残り、経営企画の立場から事業再建に関わる道を選びました。

現場の実情と経営判断の両方に向き合いながら、限られた資源でどう立て直すのか。この経験を通じて、私の仕事観は大きく変わりました。
「自分がやりたいかどうか」ではなく、「いま、この組織にとって何を優先すべきか」を基準に考えるようになったのです。

混乱の中で現場と経営をつなぎ、再建のプロセスに向き合ったこの時間は、現在の「事業を構造から捉え、仕組みで解決する」という経営視点の原点になっています。

地方創生が、「関心」から「使命感」へと変わっていった

その後、不動産投資会社へ転職し、地方の物件や地域と向き合う中で、「地方創生」というテーマが次第に自分の軸へと変わっていきました。

私は北海道の小さな町で育ち、進学と同時に地元を離れました。過疎化が進む故郷の現実を知りながら、東京でビジネスに没頭する自分に、どこか後ろめたさを感じていたように思います。そんな地元への想いが不動産投資というビジネスを通じて、さまざまな地域の課題に触れるうちに、「同じ課題を抱える地域のために、構造から価値を生み出したい」という具体的な使命感へと変わっていきました。

一方で、地方創生の多くが補助金に依存し、持続性を欠いている現実にも直面してきました。一過性の支援ではなく、地域が自ら稼ぎ、回り続ける構造をつくらなければ、本当の意味で地域は自走しない。そう強く感じるようになりました。

データとネットワークで、地域が自走できる構造をつくる

チェンジホールディングスを選んだ理由はまさにここにあります。この会社が掲げていたのは、理想論や短期的な支援ではなく、「事業として地域が自走できる仕組み」をつくるという思想でした。

現在、私はチェンジホールディングスの子会社Onwordsの取締役として、自治体向けインバウンドプロモーション事業と、民間企業向け広告代理店事業の推進を担っています。

人口減少が進む中、国内消費だけに依存していては地域経済は成り立ちません。インバウンド需要は、地域が外貨を獲得するための重要な手段です。

私たちが重視しているのは、感覚ではなく「データに基づく戦略設計」です。各国の祝日、移動データ、消費傾向などを精緻に分析し、最適なタイミングと手法で施策を設計する。経験則に頼るのではなく、ロジックで再現性をつくることを徹底しています。

実際に、あるプロジェクトではこのアプローチによって、当初の想定を大きく上回る成果を上げることもできました。

さらに、Onwordsは、グループ会社が運営するふるさと納税プラットフォーム「ふるさとチョイス」を通じて培われた全国の自治体ネットワークと、観光コンサルティングの知見を掛け合わせることで、他社にはない独自の立ち位置を築いています。
地域と深くつながりながら、データドリブンに戦略を描ける。この組み合わせが、地域にしっかりとお金が落ちる循環を生み出せる理由です。

異業種の知見を掛け合わせ、地域に新たな価値をつくる

私のチームには、Web3、NFT、IPビジネスなど、観光とは一見距離のある領域に精通したメンバーも在籍しています。
私たちが目指しているのは、こうした異業種の知見を観光や地域ビジネスと掛け合わせ、これまでにない価値を生み出していくことです。

例えば「観光×IP」といった形で、既存の枠組みにとらわれない誘客モデルを構想するなど、前例のないアプローチにも積極的に挑戦しています。正解のない領域だからこそ、仮説と検証を繰り返しながら、地域が自走するための新しい構造を設計していく。そのプロセスそのものに、この仕事の面白さがあると感じています。

正解のない領域に、挑み続けられる人と

困難な局面に置かれても、与えられた役割を最後までやりきれる人。
失敗を恐れず、そこから学びを抽出し、次の仮説検証へと論理的につなげられる人。そういう人であれば、正解のない未踏の領域で「地域が自走する仕組み」をつくるという高難度のミッションに、確かなやりがいを見出せるはずです。

私自身、苦手かもしれないと感じることに何度も直面してきました。営業もそのひとつです。決してやりたい仕事ではありませんでしたが、「いまは自分がやるしかない」と思う状況に何度も置かれ、そのたびに逃げずに向き合ってきました。失敗することも当然あります。ただ、その中で「何が足りなかったのか」「次に何を変えるべきか」と自分と向き合い続けてきたことが、いまの自分を形づくっているのだと思います。

新規事業は、やったことのないことの連続です。生活のリズムを大切にしたい、決まった範囲で安定して働きたい――そうした価値観が悪いわけではありません。ただ、「まずやってみる」「やりながら考える」ことに面白さを感じられる人でなければ、この領域はなかなか手応えを感じづらいのも事実です。 正解のない場所で、構造から一緒に挑み続けていける仲間と出会えることを、心から楽しみにしています。